お盆の過ごし方は宗派によって様々と言われますが、
浄土真宗は他の宗派とは少し違った観点を持っているようです。
もしかすると、今まで出会ってきた中で
「あれ?この人私が思っているお盆と随分違う?」
なんていう人がいたのではないでしょうか。
そこで今回は
- 浄土真宗はお盆にお墓参りをするの?
- お供えの団子やそうめんもないの?
について紹介します。
浄土真宗はお盆にお墓参りをするの?
そもそも浄土真宗において、お墓に霊はいないという考えがあります。
他の宗派と違い、浄土真宗は人は亡くなるとすぐに成仏し、
あの世で生まれ変わるとされるためお墓を持たなくても、何ら問題がない宗派といえます。
故人のお骨はどうしているのか。
散骨をしたり、ペンダントにいれて持ち歩く人もいるようです。
では、お墓はまったくないのかと言われればそうではありません。
浄土真宗にもお墓を建て、お骨を御骨を納めることも出来ます。
しかし、先ほど述べましたが、お墓に霊は宿っているわけではないので
故人を想い、祈る場所という認識なのです。
そんな浄土真宗ですが、他の宗派同様に
お盆は大切な時期と考えています。
お供えの団子やそうめんもないの?
浄土真宗もお盆にお供え物をしますが、
他の宗派とは違い「お盆ならでは」というものではありません。
通常、他の宗派は特別に棚を設けて、
・精霊馬(きゅうりやナスなどで馬の形にしたもの)
・そうめん
・お団子
・お菓子
・果物
などをお供えするのが一般的です。
しかし浄土真宗はろうそく・モチ・仏飯・季節の果物などで
普通の法要の準備をしていればOKだそうです。
お仏壇もお墓同様、故人の霊が帰ってくるという概念は浄土真宗にはないため
お盆特有のお供え物をする必要がないとされています。
さらに送り火や盆提灯なども不要だそうです。
他の宗派と違い、割と質素な感じでお供え物することがうかがえます。
ここまでくると「故人を軽く見ているんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、これは浄土真宗ならではの考えからくるものだと思われます。
浄土真宗の基本
浄土真宗は「南無阿弥陀仏」と唱えれば、人は極楽浄土へ行けるという
教えがあります。これは小耳に挟んだことがある方もいらっしゃると思います。
この「南無阿弥陀仏」には阿弥陀様が言うのと、私たちが言うのとでは
少し意味合いが違います。
―阿弥陀様が「南無阿弥陀仏」と唱える
=「あなた方を必ず救いますから、安心なさって生きてください。」
―これに私たちが「南無阿弥陀仏」と返すと
=「阿弥陀様にすべてを委ねます。なので、私たちは私たちの人生を歩んで参ります」
という意味になるそうです。
要は亡くなった後はみんな無事に成仏出来ることは確定しています。
故人のことを大切に想うのと同じくらいに、今生きていることに感謝し大事にしていこうという考え方がベースになっています。
なので、お盆だからといって特別何か準備したりこしらえたりする必要がないのは
この考えがあるからではないかとされています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
簡素なように思いますが、浄土真宗の根本的な考え方が分かれば、
「お盆の時なんでこれやらないんだろう?」という謎が解けたのではないかと思います。
ちなみに日本の宗派で一番多いのが、この浄土真宗だと言われています。
「『死』の世界は約束されている。未知なのは生きている”今”。
だから、『生』も頑張ろう」というシンプルかつ前向きな価値観が
多くの人の心を動かし、受け入れられやすいというのが最大の理由ではないかと思われます。